2011年から約5年程にわたり、弘前の身近な人達と運営していた松ノ木荘。
弘前の街中にある古い民家で川に面した中庭がありました。
庭は鳥たちの休憩所となっているようで、やってきては羽を休め、いろんな声をきかせてくれました。
光の入り方がやさしく、表情を変える様子で季節の移り変わりを感じていました。
鳥のさえずりと街の雑踏の音が入り混じるその場所は、街の中でそこだけ時間が止まったような
不思議なところで、そこで過ごした時間は、私達にとって今も忘れることのない大切なひとときです。
その松ノ木荘で2015年7月に行われた「かだる」という企画展の中の
青木隼人さんの朝の演奏会の音源と、松ノ木荘で描かれた藤川孝之さんの絵を
ひとつにした言葉と音を共有する二枚の絵葉書を収めた絵はがきセットをつくることにしました。
二枚にしたのは、一枚は自分の手元に、もう一枚はあなたにとって大切な誰かに
あなたの言葉を添えて、絵と音を共有して欲しいと思ったからです。
ダウンロードできる音楽は、展示で演奏してくれた青木隼人さんのもの。
約20分の演奏には、鳥の鳴き声や外の音も音の背景として刻まれています。
今回の発売にあたり、田辺玄さんにリマスタリングをお願いし
その場にいるかのような、音像になりました。
スマートフォンにダウンロードして持ち歩いたり、
パソコンに取り込んでスピーカーで聴いたり
自由に楽しんでいただけたら嬉しいです。
7月初夏の朝の空気と鳥のさえずり、誰かの気配とギターの音。
その時間を一緒に過ごした人にも、そうでない人にも
ひとつの朝の時間を、松ノ木荘という場所の空気を
届けることが出来たら嬉しいです。
「かだる」というのは、人と人が集うという意味合いでつけたタイトルでした。
人と接すること、行き来することを制限される中で気がついたのは
誰かと何かを分かち合うことに距離は関係なく、
お互いに思いあうことで心は近くなれるということ。
一枚の絵葉書を通して直接ではなくとも、
大切な誰かと同じ時間を過ごしてもらうことで
心を近くに感じてもらえたらいいなと思っています。
一年の終わりは、どんな年であっても節目であることは誰にとっても同じこと。
いろんな想いを巡らせて、誰かに自分の言葉と音を一緒に届けてみるのも良いかもしれません。
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「言葉と音を贈る」
言葉と音。
景色を誰かと分かち合う
二枚の絵はがき。
絵 藤川孝之 / 音楽 青木隼人
マスタリング 田辺 玄 (Studio Camel House)
録音
2015年7月5日 日曜日の朝 松ノ木荘 (弘前市)にて
material
藤川 孝之 絵はがき 2枚 ※同じ絵はがきです
青木隼人 演奏楽曲(19分25秒)1曲付 ダウンロードコード
封筒
80セット限定 2020年12月1日発売