ーこのアルバムは、日田の映画館、
シネマテーク・リベルテで録音された。
だれもいない映画館でひとり、
マイクを立てて、ギターを弾いた。
事前に楽曲を用意していくことはせず、
その場でギターの響きを確かめながら音の流れを作り、
形が固まったところで録音器をまわし、記録をしていった。
ー即興的にギターを弾いているときに、言葉は伴わない。…が、
このアルバムでは、言葉の力で、この音楽たちの
日田のつながりを深くしたいと思った。
そこで日田と交流のある石田千さんに、
出来上がった音楽を聞いてもらい名前をつけていただいた。
千さんから受け取った曲名からは、
自分では気付くことのなかった、音の背後にある風景や、
まとっている湿度のようなものが、はっきりと立ち上がってきた。
ージャケットの装画は牧野伊三夫さんによるもの。
「このアルバムを、日田という名前にしようと思うんです」と告げた途端、
牧野さんは筆をもって一気に絵を描き上げた。
そんな火花のような絵からは、
日田を流れる三隈川の音や
製材所で日田杉が整えられていく音が聴こえてくる。
(青木隼人ライナーノーツより抜粋)
装画:牧野伊三夫
タイトル考案・テキスト:石田千
LIBERTE01 | 全12曲 | セルフライナーノーツ封入